PDAと携帯電話とのスケジュール管理比較のエントリーには、「Days of SpeakEasy」経由でかなり多くのアクセスをいただいた。最近でも「スケジュール管理」という語を含む検索でこのweblogにたどり着く方が多いようで、多くの方にとって関心あるテーマなのだろう。
Vins-Tさんも紹介されている、「中途半端なモバイラー」でtachibana3さんが指摘されたとおり、PDAと携帯電話、そしてPCなどのスケジュール管理に使う機器間で、ユーザーが意識しなくともデータの同期が取られて利用できる環境が理想といえそうだ。もちろん、携帯電話だけ、PCだけという使い方も可能だし、PDAを買ったときには機種やOSなどの壁を意識することなく、あるいは面倒な設定もなくさっそくデータが同期されて使えるようになれば、本当に快適だと思う。
さて、上述の通り、アクセスログの解析結果を見ると、「携帯電話 スケジュール(管理)」という検索語が数週間にわたってかなりの数になっている。たしかに「携帯電話でスケジュール管理」というタイトルのエントリーがあるのは確かなのだが、それでもこんなに来るものかと気になったのでGoogleで探してみると、なんと上から2〜5番目くらいにこのweblogが表示されている。一体どんな理屈でこんなに目立つ場所に登場するのかわからないが、せっかくなので私のスケジュール管理について書いてみようと思う。
PDAを購入するまでの遍歴は、このweblogとは別にもっているサイトにエッセイとして書いたものがあるのでそちらを参照いただけるとありがたい。
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現在私が使っているのは、シャープのZaurus SL-C750で、昨年の5月からほぼ1年ほどのつきあいになる。それ以前はPalm OSのPDAを使っていたのだが、スケジュール管理の使いやすさや使い勝手については、正直なところPalmの頃よりもかなり低下してしまった。
SLシリーズZaurusの標準スケジュール管理ソフトには、全体的に動作が遅い点や、スケジューラの起動ボタンで”今日のスケジュール”を表示させられない点など、シーンによっては致命的ともいえる問題があるのだ。最近、置き換えソフトである「Qualendar」をインストールして使い始めているが、スピード面での改善だけでなく、「.」キーを押すことですぐに今日の予定を表示させることができるようになった。全体の軽快感はPalmにはまだまだかなわないが、Qualendarへの置き換えによってかなりストレスが軽減されたし、移動中の新幹線などで音楽を聴きながらテキスト作成ができる(このweblogのエントリーの多くも、新幹線車内でZaurusで作成した原稿がもとになっている)というメリットが大きく、今のところ納得できる状態といえる。
このPDAとデータを同期させているPCは、日本IBMの「ThinkPad X31」だ。本来なら、私はもうワンサイズ小さな10.4インチの液晶をもつマシンがほしかったのだが、購入当時はこれが最小だった。大容量バッテリもつけているために少々重いが、性能的には申し分ない。
PCでのスケジュール管理ソフトはMicrosoft Outlookを使っている。もっとも、PIM用途のみでメールクライアントとしてこの危なっかしいソフトウェアを使う気にはなれない(メールはBecky!をずっと使い続けている)。誤解を招くといけないので念のため書いておくと、このThinkPadはもちろん私物、会社のPCとZaurusとは接続していない。会社支給のPCよりもはるかに高性能なので、PowerPointでの資料作成など仕事もこちらでやってしまうのはちょっと問題かもしれない(データは作業中はコンパクトフラッシュに保存して会社のマシンに戻すようにしている)。
予定の入力や編集は、デスクにいるときにはもちろんPCで行い、会議中や外出先などではZaurusだ。Palm使用時には、手書き文字のグラフィティがなかなか早く書けずにイライラすることもあったが、今は使いやすいキーボード付きなのでほとんど問題はない(とはいえ、かな漢字変換の精度については問題が大きいのだが)。
私の環境での大きな問題は、勤務先が標準化しているスケジュール管理ソフト(というよりも電子メールや掲示板、ワークフローなども含むグループウェア)にもきちんとスケジュールを登録しなければならないということだ。
実は、このグループウェアではPalm Desktopを経由してPalm OSを採用したPDAとスケジュールのデータを同期させる機能はあり、社内でも多くのユーザーが利用している。このほかにPocket PCとの連携オプションも用意されているようだが、残念なことにZaurus用の連携ソフトはないようなのだ。
このため、私はやむを得ずOutlook/Zaurusのスケジュールとは別に、会社指定のグループウェアへのスケジュール登録を二重で行っている。そんな面倒なことをせずにPalmを使い続ければ良いではないかと指摘されそうだが、移動中のテキスト作成がPDAの主な用途になってしまった今の私がPalmに戻るのは少々難しい。現在ある商品の中で乗り換えるとすれば、やはりシグマリオンIIIということになるだろうが、今のところその余裕はない(私はPCやPDAなどは大好きだが、新商品を次々に買い換えたり買い足したりするほどではない。数万円の余裕はもちろんあるが、妻と旅行に行くことやカメラの交換レンズ購入の方が優先度が高いのだ)。
スケジュールの二重登録は、目下の私にとってはたしかに面倒な作業だ。ただ、PDAには仕事の予定ばかりを入力しているわけではなく、プライベートな情報がたくさん書いてあり、これらをいちいち指定(ロックをかけて自分以外は内容を見られなくすることができる)するのは煩わしいし、そもそも休日に何をしているかを勤務先のスケジューラに記録しておくのもなんだか気持ちの悪い話だ(たとえロックをかけるにしても、登録した以上は何か必要があれば内容を公開することが当然だろう)。
会社に公開する仕事上のスケジュール管理と、自分の資源配分のためのスケジュール管理とを切り離すのも、悪くないと思っている。ときおり、会社の方への反映を忘れていてスケジュールの空き時間とみなされ、打合せの予定などを入れられてしまってあわてることもあるのだが、これは注意するしかない。
誰にとっても1日は24時間、時間という資源をどう有効に使うかは自分次第だ(もちろん、様々な事情で24時間の全てを自分ではコントロールできない方も多いだろうが、一般論として時間管理について考えたい)。しかも平日は通勤と仕事で10時間以上の使い道が決まってしまっている。けれど、残った時間をうまく管理することで、かなりの時間を創り出すことができる(先日取り上げた「週末起業チュートリアル」でも時間の使い方についてかなりのページが割かれていた)。私も帰宅後はぼーっとして時間を過ごしてしまうことが多いのだが、スケジュール管理について書いたのを機会に、時間の使い方についても考えてみようと思う。
Posted by dmate at 2004年05月13日 19:28 | TrackBack