2005年03月22日

Beyond Bullet Pointsアプローチと会議資料

村山尚武さんによる「Sotto Voce」は、以前から愛読しているweblogのひとつ。
つい最近「beyond bullets」に村山さんからCliffへのメールが引用されているのを見て、そういえば、私が「beyond bullets」を知ったのも村山さんのおかげなのだったと思い出した。メールの内容は、「Beyond Bullet Points」アプローチのプレゼンテーションを、村山さんが採用してみての感想を書き送ったもの(「Sotto Voce」での記事はこちら)。

私は、このアプローチのアイディアを二つの側面にわけて理解している。
ひとつは、プレゼンテーションをお仕着せのテンプレートに沿った情報の羅列ではなく、自分のメッセージを力強く伝えるものととらえて、そのストーリーをきちんと組み立てて行うというアプローチだ。そしてもうひとつが、それを実際にPowerPointというツールを使ってスライドというメディアに変換するときの、”要点箇条書き”や”説明をそのまま詰め込む”アプローチを避けた、新たなビジュアルエイド作成の技術。
肝心の「Beyond Bullet Points」を、私はまだ3分の1ほどしか読み終えておらず、weblogの一連のエントリからの理解なので、誤解をしている面はあるかもしれないが、伝えるべきメッセージをストーリー化し、その伝達に最適なスライドを設計する、という二段構え(これにプレゼンテーションの実践を加えて三段とすべきか)が、このアプローチの基本といえるのではないだろうかと思っている。

私はもともと箇条書きスライドはほとんど使わない。
資料を準備する方法は、まずタイトルに一行メッセージを書いた白紙のスライドを並べ、追加や修正・統合を繰り返しながら全体の流れをつくってから、個々のページのメッセージを説明するチャートや数字などを作り込んでいく、というもの。それゆえ、まずストーリーをまとめてからその骨子をタイトルにする「Beyond Bullet Points」アプローチとはもともと相性が良い。ストーリーの善し悪しが、プレゼンの成否の半分以上を握っているというのが私の実感だ。
一方で、できあがる資料は必要な情報を全部詰め込んだものになりがち。これは、社内で資料だけが転送されても情報が伝わるように、という理由によるものだ。プレゼンの際には、そこから重要な情報だけをかいつまんで進めることになる。

村山さんも指摘されているとおり、聴衆によっては手許資料と映し出されるスライドとが一致しており、それに沿って説明が進むことを要求するケースは少なくない。「Beyond Bullet Points」アプローチが万能ということはない。
むしろ、日本の会社内で行われる提案や報告などでは、従来型のアプローチを採らざるを得ないことのほうが多いだろう。基本はTPOをわきまえて、ということなのだが、私がいつもやっている”読むための資料をそのままプレゼンのスライドとする”ことの限界もまたはっきりしている。情報過多のスライドは読みにくい上に聴衆の注意が散漫になり、話が脱線する元ともなってしまうのだ。
配布用の資料と、プレゼンテーション用のスライドとを、きちんと関連づけて不自然さを感じさせないようにし、同時に情報過多に陥らない工夫が必要なのだろう。
Cliffは、ノート部分に必要な情報を書き込んでおき、PDFで配布するという解決方法を提案している。この方法も含めて、少しずつ工夫をしてきたいと思っている。

Posted by dmate at 2005年03月22日 21:37 | TrackBack
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