2004年06月20日

地ビールを楽しむ会

良く晴れた土曜日に、全国地ビール醸造者協議会主宰の「第7回 地ビールを楽しむ会」へ行ってきた。
このようなイベントの存在は全く知らずにいたのだが、妻が新聞に小さく載っていた告知記事を見つけてきたのだ。さっそく「全国地ビール醸造者協議会」のサイトにアクセスして詳細を調べて参加費が500円安くなる事前登録を済ませると、私の番号はすでに400番台、人気のあるイベントのようだった(会場で番号を見ると、事前登録者は1,000組を超えていたようだ)。

会場は東京プリンスホテルの屋外ビアレストランで、大きなテント状のスペースにズラリとテーブルが並び、全国から参加した地ビールのサーバが並んでいた。その数100種類以上で、これだけの地ビールを同時に楽しめる機会などそうそうないだろう。
以前、ワインのイベントに参加したことがあるのだが、樹脂製のワイングラスを渡されて各ブースで少しずつ試飲ができる、という程度のものだった。今回もそれを予想していたのだが、入口で渡されるのはちょっと大ぶりのグラスで、各ブースではこれに半分ほどビールをついでくれる。早い話が、数カ所も回れば缶ビール一本を飲んだのと同じになるわけで、案内メールに「今から体調を整えて、6月19日はニッポンの地ビールうんとお楽しみくださいね」とあったのにも合点がいった。

12時からのスタートで、相当混雑するという予告がなされていたので、少し遅らせて12時40分頃に到着。酔っぱらわないように昼食は済ませてからにした。
すでに会場内には相当数の来場者で混雑しはじめており、人気のビールには行列ができている。グラスと入口で渡された一覧表を手に、目星をつけたビールを順に楽しんでいくのだが、場内はかなりの人混みで落ち着く場所を探すのも大変だ。屋外にもテーブルはあるのだが、喫煙が可能なのでかなり煙い、結局、屋内中央付近のテーブルに陣取って夫婦が交代でビールをもらいに行くスタイルで通した。
結局、4時間近く滞在して30種類を楽しむことができたのだが、後回しにしておいた関東地区や関西地区の地ビールはほとんど試すことができなかった。また、開場直後から長い行列ができていた「ゆふいんビール」や「薩摩ビール」が楽しめなかったのは非常に残念だった。人気のビールは開場後2時間ほどでなくなってしまっていたのだが、夜には再開されていたのか心配になる。

今回試飲した中でもっとも気に入ったのは、「富士桜高原麦酒」のヴァイツェンとラオホ。
前者は非常にオーソドックスなヴァイツェンの味わいがあり、昨日のように良く晴れた日に屋外で楽しむには最適のビールといえそう、後者もスモークの香りが嫌みにならずに味わいを引き立たせており、甘みも感じられるもの、スモーク香が強すぎるクセになっているものが少なくないが、これは全く違った。
どうも名前が地味なためか、それとも隣に有名なタッチダウンビールがあったためか、かなり最後のほうまで供給が途切れることがなく(ちなみに、タッチダウンビールも期待を裏切らない素晴らしい味だった。早い段階で完売してしまったのが残念)、コンスタントに楽しめたのも好感が持てた。

会場は当然大人ばかり(子連れのかたを何人かみかけたが、子供たちにとっては騒がしくて混んでいてちょっと不快な場所だったのではないだろうか)で、よって大騒ぎするような人もなく非常に楽しい雰囲気に包まれていた。どの参加者も、地ビールが大好きなのだろう、実に幸せそうな良い顔がそろっていた。
これほど多くの地ビールファンがおり、しかもその期待に応える素晴らしい個性をもつビールがあるにもかかわらず、一般的に流通するビールのどれもが同じ味というのはやはり不可解なことだ。ビールの購買者はビール好きではなく、アルコールの入った止渇飲料を求めているだけなのだろうが、焼酎の味をあれこれと楽しめるのなら、そろそろビールの個性にも注目して良い頃だと思う(もっとも、最近のブームによって有名になった焼酎が入手できなくなり、値上がりするといった悪影響が地ビールに及ぶのはごめんなので、本当に地ビール人気が出てほしいかどうかは複雑なところだが)。
今回の「地ビールを楽しむ会」は実に楽しく素晴らしくおいしいイベントだった。来年も開催されるなら、必ず来よう。

Posted by dmate at 2004年06月20日 12:55 | TrackBack
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