2004年04月09日

あえて「ひかり」に乗る

東海道新幹線に「のぞみ」が登場した時、私が驚いたのはスピードそのものではなく、スピードのために名古屋駅を通過する潔さであった。さすがに不評だったのか、あるいは予定のうちだったのか、すぐにダイヤは改訂され停車するようになったものの、名古屋を通過する新幹線の登場は衝撃だった。

何度かのダイヤ改訂を経て「のぞみ」は新横浜駅にも停まるようになり、これでは「ひかり」とたいして変わらないではないかと思っていたら、品川駅の開業と同時に「のぞみ」が大幅に増便されて自由席も設けられた。いわば「ひかり」が従来の「ひかり」と「こだま」の中間にずれるような形で位置付けが再整理されたといえるだろう。
私の勤務先では、従来早朝と深夜にかからなければ出張時の使用が認められなかった「のぞみ」を、通常の移動でも使えるように規定が変わり、最近ではほとんどの場合「のぞみ」に乗車している。

かつては、「のぞみ」は「ひかり・こだま」よりも明らかに高価格であった(ビジネス回数券で乗車の場合、1,350円の追加が必要だった)ためか、比較的空いているのは「ひかり」よりも「のぞみ」だった。
しかし、位置付けが変わり「のぞみ」で使える回数券の価格改訂やエクスプレス予約などが広がると、むしろ「のぞみ」の方が混雑するようになった。多くの乗客は東京と名古屋、新大阪を往復するので、新大阪なら30分、名古屋でも20分の時間短縮はたしかにありがたい。時間帯にもよるが、私が乗る「のぞみ」はほぼ満席のことが多い。

基本的には「のぞみ」を利用するのだが、時間が差し迫っていない時など、私はあえて「ひかり」を使う。
特に静岡や三島などの途中駅に停まり、「のぞみ」の待ち合わせをする列車で顕著だが、「ひかり」は同時間帯の「のぞみ」に比べるとかなり空いている。DEの二人掛けに一人、ABCの三人掛けに二人、という程度にしか人が乗っていないケースがかなり多いのだ。
だれもが感じていると思うが、新幹線の三人掛けシートはかなり窮屈だ。名古屋までの場合、たった2時間弱とはいえ、できれば広々と使えた方がうれしい。空いている車両での移動は、混んでいる場合よりもずっと疲れが少ないように感じられる。
また、隣にだれもいなければ、仕事の書類を読むことも可能になるし、PCを広げて資料を作成するのも気を使わずに済む。最近では「ひかり」も随分とスピードアップしており、東京−名古屋間ならば15分程度の差しかない。ならば、空いていて疲れも少なく、必要なら仕事もできる「ひかり」がいいではないかと思う。
このエントリーを書いたからといって、明日から「ひかり」が急に混み出すこともない。15分移動時間が延びても困らないなら、「ひかり」はお勧めだ。

Posted by dmate at 2004年04月09日 22:44 | TrackBack
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