なんとなく面倒で先伸ばしてきたことを実行して、「どうしてもっと早くやらなかったんだろう？」と思うことが多い。いや、仕事の話ではなく（もちろん、仕事でもそんな経験は嫌というほどしているのだけど）、今回は「SPAMフィルタ」の話だ。
私は気に入ったソフトウェアができてしまうと、そうそう乗り換えるほうではない。たとえばテキストエディタについては1992年の登場以来「秀丸エディタ」を使い続けているし、メールクライアントはもう6年以上も「Becky! Internet Mail」のユーザーだ。ときおり他のソフトを試してみるのだが、どうもしっくりと来ずに戻ってしまう。新しもの好きである一方で、根は案外保守的なのかもしれない。利用環境についても同様で、便利なプラグインがあると聞いてもなかなかインストールせずに、標準状態で使い続けることが多いのだ。Becky!についても、できるだけ最新バージョンにするようには心がけているものの遅れがちで、より便利に使うためにプラグインを探して、といった努力はちっともしていないのである（と、書きながら調べたら、案の定というべきか、私が使っていたBecky!はかなり古いバージョンのままだった）。
WEBサイトにメールアドレスを掲載しているためか、毎日のようにSPAMメールを受け取る。だいたい日に10通くらいだろうか、多い人は何十通とか100通とか聞くので少ないほうなのだろうが、鬱陶しいことに変わりはない。SPAMメールの中には1年とか半年前の日付で送ってくるものもあって、削除するのも面倒なのだ。なにより、望みもしないのに勝手に送りつけてくる広告やらジャンクメールをわざわざ手間をかけて削除しなければならないということ自体が煩わしいし腹立たしい。
にもかかわらず、SPAMフィルタを設定してこなかったのは、煩わしいにしても毎日10通程度であれば手に負えない状態ではないことと、フィルタはBecky!の標準機能にはないためにプラグインを追加で設定せねばならないのだが、それがちょっと面倒だったことによる。やればわかるが、実際にはちっもと面倒な話ではない。検索エンジンで「Becky! SPAMフィルタ」などのキーワードで該当するプラグインを探し、いくつかの感想や評価をみて選んだものをインストールするだけなのだから。
先日、風邪気味だったので早めに帰宅したのだが、妻は残業で23時過ぎになったのでハードディスクレコーダーにたまった録画済みのテレビ番組をDVD-Rに移しながら、思い立ってフィルタを探してインストールした。上記のような検索で予想通り簡単に見つけることができ、「BkASPil for Becky!2 Plug-in」をインストールした。
さっそくメールを受信してみると、拍子抜けすることにいつもなら4、5通は必ず届いているはずのSPAMメールが来ていない。これでは効果のほどはわからないな...とがっかりしたのだが、実は届いたSPAMメールは全て自動でゴミ箱に移動されていたのだった。受信ボックスにはひとつも残らなかったので、気がつかなかったのだ。
その後も毎日のSPAMメールのうち1、2通は手動でSPAM指定をする必要があるものの、削除の手間は大幅に省けている。
パーソナルコンピュータは、ソフトウェアの追加や設定によって大きく使い勝手が異なるものだ。自由度の高さ故にその設定は煩雑になりがちではあるものの、少し時間と手間をかけることのメリットは確実に享受できることが多い。思い起こせば、まだMS-DOS上でさまざまなオンラインソフトを組み合わせていた10数年前には「config.sys」のカスタマイズから始まって（主としてアプリケーションに割り当てられるメモリ空間をいかに増やすかがテーマだった）、制約の多いコンピュータをいかに使いやすく、快適にするかを追求していた。さすがに当時と同じようにはできないものの、今やコンピュータは仕事に趣味にとかなりの長時間にわたって使い続ける道具だ。もう少し手間をかけて、使いやすく仕上げてみようかと思う。