ノートパソコンと書類を詰め込んだ私のカバンはかなり重い。計ったことはないが常時6〜7kgくらいにはなっているだろう。重量物のベスト(ワースト?)3といえば、冒頭に上げたノートパソコン、会社の書類、そして移動中に読むための本となる。
特に出張時など、読む物がなくなってしまう恐怖は極めて大きい。本がなければないで、愛用のPDAであるZaurus SL-C750でこのweblogのエントリーでも書いていればよいのだし、実際にそうしていることも多い。だが、私は「今この瞬間、何も読むものがない」という状態に耐えられないのだ。
そんなわけで、私のカバンには常に2〜3冊の本が入っている。かつては「蝦夷地別件」の上下巻を持ち歩いたこともあったが、最近ではすっかり体力も落ち、腰が痛くなるので持ち歩くのは専ら新書判である。
新書のメリットはコンパクトなサイズだけではない。歴史や経済、社会問題や趣味などさまざまなジャンルのもが選べること、そして駅の小さな書店でも扱っている入手の容易性などがあげられる。この5年ほどで多くの出版社が参入したために選択の幅も広がった(ただしいささか粗製乱造のきらいがある)。
新書判といえば、2003年最大のヒット作は「バカの壁」だが、私は毎月最低でも4〜5冊の新書を読んでいるのに未読なのだ。発売直後に何度か手に取ったものの後回しにしているうち、あっというまにベストセラーになってしまった。私は天邪鬼なのでこうなるともう買えない、読めない。平積みになった本を手に取るのもはばかられる。要するに見えっ張りなのだが、私にとって大ベストセラーを今更ながらレジに持って行くのは、真顔で「失楽園」を買うのと同じくらい恥ずかしいのだから仕方がない。余談だが「失楽園」を買うくらいなら、フランス書院文庫の中から適当な1冊を買う方がまだマシだと私は思う。エロはエロなのだ、みんなで文学作品だという「お約束」をしてごまかすのは、大人として実にみっともないことじゃないだろうか。
話は大きくそれたが、こんなわけで私は未だに「バカの壁」は読んでいないし、きっとこれからも読めない。本当におもしろい本だったら、と思うとちょっと損をした気分になるのである。ちぇっ。