2005年04月03日

RSSリーダーの普及度と活用の方向性

私が普段読んでいるweblogは50弱ある。
もちろん、これだけのweblogを手動で巡回することなどできない。いろいろとトライアルを繰り返した結果、いまはBloglinesを使っている。更新のあったweblogだけを効率よく見ることができることだけでなく、普段使っているのと違うPCを使っているときでも同じリストが使えるというメリットが手放せない。

そんな巡回先のひとつに、「Blogging Planet ENG」があるのだが、先日「企業がRSSフィードを使う10のアイディア(Ten Ideas for Corporate RSS Feeds)」というエントリが上がった。
スパムのために機能不全に陥りつつあるeメールに代わって、RSSフィードが企業にとって有効なマーケティングのツールとなる、という主張の記事だ。ちょうど前のエントリでも紹介した「OnlyOnce」のMatt Blumbergが著書「Sign Me Up!」で述べている、「スパムはソフトウェア会社やプロバイダの協力によってじきに解決される」という主張とは逆の見解といえるだろう。

RSSリーダーには勝手に送り込まれてくる情報はない。すべて読者自身が選んで登録したものだけ。
しかも、読まなくなったら自分のリストから削除するだけで良く、情報の送り手に自分の情報を一切渡さずに済む。現在のeメールによる情報受信における問題をすべて解決するものであるように思える。

とはいえ、RSSリーダーそのものの普及率は依然低い。
インターネット利用者のほとんど100%はeメールを受け取れるだろうが、RSSリーダーを使っているのは8%に過ぎない(「その RSS リーダーは必要か」Japan.internet.comによる)。Matt Blumbergが指摘しているとおり、RSSリーダーはマーケティングツールとして使えるクリティカルマスを超えているとはいえない。

加えて、RSSサーチエンジンやRSSアグリゲータの存在を考えると、RSSは決してスパムフリーとはいえない、という主張にもうなずける。
RSSがeメールをめぐる問題の多くを解決するとしても、RSSリーダーが普及することには多くのスパマーがその利用法を考えつき、同じような情報洪水に私たちをさらすのだろう。

また、配信されるRSSの内容によってはエントリの全文が読めてしまうため、あえてそのサイトを訪れないで済ませてしまう、というのも確かだ(このサイトもまさにその”全文読めてしまう”タイプ)。「むだづかいにっき」のえっけんさんの指摘通り、アクセス数を稼ぎたい発信者にとってはありがたくないものだろうし、ましてやマーケティングのツールと考えると記事の周囲に広告やキャンペーンの案内を配して待ちかまえても効果は低いことになる。

eメールにせよRSSフィードにせよ、便利なツールにはそれなりの問題もある。
しかし、それを乗り越える活用の工夫というのは考えられていくのだろうし、その工夫が大きな競争力の差を生んでいくのだろうと思う。
RSSの活用は始まったばかりだ。この新たな可能性からどんなマーケティング手法が生まれてくるのか、しばらく注目していきたいと思っている。

Posted by dmate at 2005年04月03日 23:03
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